TOTOは、4枚目のアルバムで、グラミー賞7部門制覇という偉業をなしとげたバンドで、日本でも単にロックバンドというよりも、ポップスターとしてもかなり浸透していると思う。
でも、まず最初に騒がれたのはデビュー時だった。このファーストシングルが出たときのロックジャーナリズムの反応は凄まじかった。
それは、彼らが腕利きのスタジオミュージシャンの集合体で、日本のミュージシャンにとってあこがれのスターの集まりだったからである。
アメリカのソフトロックというかおしゃれなポップスのバックで演奏していた連中が一堂に会したのだから、それは大事件だった。ボズ・スキャッグスのバックもやっていたし。
とにかく、音楽そのものよりも、最初はそっちで注目されたと思う。
演奏が上手い、リズムが正確っていうことを楽器をやっている人間はけっこう声高に称賛した。
ラジオでテクニック志向の日本のミュージシャンがコメントしていたのを今でも覚えている。「いやー、すごい!」と感動していた。
実は、売れているバンドでも、60年代、70年代はきちんと五線譜に示せるように演奏しているバンドは少なかった。特にハードロックバンド、ロックンロールバンドは感覚で演奏している面が強く、リズムが揺れる。プログレでもカールパーマーなどはどうもリズムが一定でないような気がする(でも、バンドとして帳尻を合わせてしまうのだから、それもすごい。)。まあ、聴いている人間が気持ち良ければいいと思う。
でも、スタジオミュージシャンは違う。まず、譜面があって、その通りに演奏するわけで、リズム・音符にずれなど生じないよう正確に演奏する。その一流どころがそろったTOTOはすごかった。妙に几帳面な日本人ミュージシャンにとって、すこぶる評判がよかったのは言うまでもない。
作曲面やアレンジの面でも完璧であり、4作目まではほんとにすごい作品ばかりだと思う。
そんな彼らでも5作目以降は今ひとつという状況になってしまうから、わからない。